📍2025年12月訪問
ドンムアンからアユタヤへ行くなら、安くて道路の渋滞を回避できる「タイ国鉄(SRT)」がおすすめ。公式アプリ「D-Ticket」で使える事前予約の裏技や、実際にタイ国鉄に乗ってみた感想、国鉄の列車種別の選び方や当日の乗り方などの記録。
ドンムアン空港からアユタヤへの行き方(移動手段の比較)
ドンムアン国際空港(DMK)からアユタヤへの主な移動手段は、タイ国鉄(SRT)、タクシー・配車アプリ、ロットゥー(乗合バス)の3つがある。
バンコク市内より北側にあるドンムアンはアユタヤへのアクセスが良好。荷物が多い場合やホテルの前まで直接移動したい時にはタクシーや配車アプリの利用が便利だが、おすすめは、空港直結で安く移動できるタイ国鉄。
タイ国鉄(SRT)★おすすめ★
タイ国鉄(SRT)の「ドンムアン駅」は空港第1ターミナルから歩道橋を渡ってすぐ。
- 所要時間:約45分〜2時間(列車種別による)
- 運賃:普通列車(3等)約11〜20バーツ/特急・急行 約200〜300バーツ
- 特徴:安く移動でき、道路の渋滞を回避できる。
タクシー・配車アプリ(Grab / Bolt)
- 所要時間:約45分〜1時間(道路状況による)
- 運賃目安:約600〜1,000バーツ(高速代別)
- 特徴:荷物が多い場合や、ホテルの前まで直接移動したいときに便利。
ロットゥー(乗合ミニバン)
- 所要時間:約1時間〜1時間半
- 運賃目安:約60〜100バーツ
- 特徴:ローカルな移動手段。大きな荷物がある場合は不向き
タイ国鉄(SRT)の列車種別
列車種別一覧(ORD/RAP/EXP/SP EXP)
ドンムアンからアユタヤ行きの列車は4種類ある。
| 種別 | 日本語表記 | 所要時間 | 運賃(3等・扇風機) | 運賃(2等・エアコン) | 車内環境・リアルな特徴 |
| ORD | Ordinary(普通) | 約1.5〜2時間 | 11バーツ(約45円) | -(基本設定なし) | 各駅停車で時間がかかる。エアコンがなく扇風機のみなので、タイの暑さの中では体力を削られやすい。 |
| RAP | Rapid(快速) | 約1時間〜1時間15分 | 20バーツ(約85円) | 約110バーツ | 3等中心。普通より少し早いが、時間帯によってはローカル客で混雑する。 |
| EXP | Express(急行) | 約45分〜1時間 | 20バーツ(約85円) | 約200バーツ | 3等扇風機席(20B)は急行でも混雑しやすい。 暑さと混雑を避けるなら2等エアコンが快適。 |
| SP EXP | Special Express(特急) | 約45分 | -(基本設定なし) | 約300〜350バーツ | 全席指定・エアコン完備。混雑なしで確実に座れるが、短距離だと運賃は高め。 |
SRT公式アプリ「D-ticket」での事前予約方法と注意点
短距離区間(ドンムアン~アユタヤ)の予約ルール
事前予約ができるのは「座席指定(指定席)のある列車・座席」(長距離の寝台列車、特急・急行の2等エアコン指定席など)のみで、3等扇風機席(自由席)や Ordinary(普通列車)などの短距離・自由席チケットはD-Ticketでの事前予約対象外。
事前予約の受付開始日
タイ国鉄では乗車区間の長さ(全ルートに対する移動距離割合)によって事前予約の受付開始日が異なる。
- 長距離(全ルートの60%以上の移動):最大90日前〜予約可能(例:バンコク〜チェンマイの全区間、主要寝台列車など)
- 中距離(25%〜59%の移動):30日前〜予約可能
- 短距離(25%未満の移動:ドンムアン〜アユタヤなど):基本的に1日前〜当日の購入
ドンムアン〜アユタヤは「短距離」にあたるが、長距離を走る急行(EXP)や特急(SP EXP)の「2等エアコン指定席」枠であれば、1日前からD-Ticketアプリ上で事前決済が可能。(EXP の2等エアコン指定席で234バーツ)
30日前から確実に予約する*裏技*
アユタヤの少し先にある「ナコンサワン(Nakhon Sawan)」まで指定して購入すれば中距離扱いになるため、30日前から確実に座席を確保することができる。
D-ticketアプリの使用感
画面推移にやや癖があるが、購入確定までに何度も確認画面が表示されるため安心感がある。座席選択画面では既に埋まっている席に「男性」「女性」「僧侶」といった区別が表示されるのがタイらしく印象的。手数料は発生するが、払い戻しにも対応しており、実際に予約変更した際も、すぐに返金された。


タイらしい
チケット購入と列車の乗り方
ドンムアン駅で当日購入の場合は、チケットカウンターで行き先・列車・座席種別を伝えて購入。
今回は、年末の混雑状況が読めなかったため、往路は日本出発前にSRTの公式アプリD-Ticket(APP Store/Google Play)で「2等エアコン席」を事前予約した。
カウンターでQRコードを提示して確認を受けるだけで、チケットとの引き換えなどは無し。丁寧に乗り場の案内をしていただいて分かりやすかった。

その後、「LONG DISTANCE TRAIN」のプラットフォーム(5,6番)へ進み、改札が空く時間まで待機。改札が開いたら、スマートフォンのQRコードを読み取らせてホームへ移動。


座りたいなら「2等エアコン席」
このエアコン席、クーラーが強烈で極寒。出発してしばらくすると、職員の方が乗客にブランケットを配リ出した。長距離列車だったからだろうけど、「ブランケット配るくらいならクーラーの温度上げればいいのに…」と思いつつ、私はアユタヤで降りてしまうのにきちんと袋に入ったブランケットを貰ってちょっと申し訳ない気持ちになった。

乗車中の車内検札はなく、アユタヤ駅も改札がないため、到着後はそのまま外へ出ることが出来る。


アユタヤ駅からの移動はこちらの配車アプリ編で。
アユタヤから~ドンムアン「3等扇風機席」の発売は出発の20分前から
ドンムアンへ戻る日、念のため事前にチケットを買っておこうと駅に寄ったら、自由席のチケットは出発の20分前にしか販売をしていないという。仕方なく予定していた列車の出発時刻より早めに駅に戻りチケットを購入した。日本の自由席列車と同じで切符さえ買っていれば乗れるみたい。改札も車内検札もないけれど…。



車内はかなり混雑しており、スーツケースを気にしながら暑い中で1時間過ごすのはきつかった。

2等エアコン席と3等扇風機席の両方乗ってみたが、東南アジアでよくあるエアコン効きすぎ問題…。タイの列車も暑いか寒いかだった。
【コラム】日本のODAが支えたドンムアン駅とタイ国鉄の歴史
ドンムアン駅の入り口付近で日本の国旗が目に入った。調べてみると、ドンムアン空港と直結しているタイ国鉄ドンムアン駅(レッドライン等の高架化事業)が、日本のODA(政府開発援助)による支援を受けて建設・整備されたものだという。

タイ国鉄高架事業の背景
1. バンコク圏の深刻な交通渋滞緩和と環境対策
タイの首都バンコク周辺では急速な都市化に伴い、道路の深刻な慢性渋滞と大気汚染が長年の課題だった。これらを解消するため、大量輸送が可能な鉄道交通へのシフト(モーダルシフト)を図る目的で「バンコク都市鉄道網整備計画」が進められる。
2. ドンムアン空港アクセスおよび長距離列車の高架化
旧来の地面を走る地上線(旧ドンムアン駅)では、踏切による渋滞や列車の遅延が多発していた。空港アクセスを高速・スムーズにすると同時に都市部の地上踏切を解消するため、バンスー駅(現在のクルンテープ・アピアワット中央駅)からランシット駅までの区間を高架化し、現代的で大規模な新ドンムアン駅が建設された。
3. 日本のODAとの関わり
資金面では、国際協力機構(JICA)を通じた円借款により資金が提供され、土木工事や駅舎の建設が実施された。また、日立製作所をはじめとする日本企業の車両や、信号・通信・変電などの各種システムも導入されており、日本とタイの長年にわたる協力と友好関係を象徴する存在となっている。
高架化と点字ブロックに見る日本の技術
ドンムアン駅のホームに立つと、足元には日本で見慣れた黄色い「点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)」が綺麗に敷き詰められていた。タイの国鉄や都市鉄道(レッドライン)では、日本の鉄道技術やユニバーサルデザイン(バリアフリー設計)がそのまま導入されているため、点字ブロックも日本とほぼ同じ規格のものが設置されてるそう。

海外の駅でありながら、どこか日本の駅にいるような不思議な感じ。ただ、日本の駅なら当たり前にある「乗車位置の目印」がなく、広いホームのどこに電車が止まるのかわからない…。旅先のふとした瞬間にも、利用者の視点に立った日本の「細やかな心づかい」や暮らしやすさを改めて実感することとなった。
旅先で感じた日本の支援と誇り
東南アジアを旅していると、訪れた先で日本がインフラ整備や遺跡修復などの支援をしている話を実際に聞いたり、案内看板を目にすることがある。自分が普段意識していないような場所でも、こうして日本が現地の人々の暮らしや歴史を支える支援をしているのだと知ると、同じ日本人としてとても誇らしく、温かい気持ちになる。
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